ピッキング作業を効率化するためには、ハンディターミナル・ピッキングカート・デジタルピッキングシステム・ボイスピッキングなどのシステムを活用することが重要です。本記事では、これらの特徴や導入時のポイント、各システム・機器の選択方法について解説します。
ハンディターミナルの概要と特徴
物流センターにおけるハンディターミナルの特徴やメリット、効果的な導入方法を解説します。
ハンディターミナルの特徴とメリット
ハンディターミナルは、各アプリケーションをインストールすることで物流センター内の検品・出荷作業など様々な業務に対応でき、作業効率を向上させます。また、デジタルピッキングでは追い越し作業が難しいのですが、ハンディターミナルを使用した作業では追い越しピッキングが可能なため、様々な出荷データに対応できるメリットがあります。
ハンディターミナルには無線タイプ、バッチタイプ、大画面タイプ、ペン型、冷凍庫仕様など、様々な機種が存在します。使用目的や現場の環境に合わせて、最適な機種を選択しましょう。
ハンディターミナル導入時のポイント
ハンディターミナルを使用して商品の認識と検品を行う場合、商品にバーコードがソースマーキングされていないと、作業者が商品の知識を必要とし、効果が薄れてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ピッキングカートの概要と特徴
物流センターにおけるピッキングカートの特徴や利点、効果的な導入方法を解説します。
ピッキングカートの特徴とメリット
ピッキングカートは、台車(カート)の上に無線端末、小型ラベルプリンタ、マルチスキャナー、バッテリーなどが搭載されており、無線端末を通じて指示を受け、ピッキングや検品作業を行うことができます。また、大きな画面が備わっており、作業指示が分かりやすいというメリットがあります。
さらに、ピッキングした商品の数量間違いを防ぐために計量器付きのピッキングカートなど、様々な種類が存在します。用途に合わせ適切なピッキングカートを選択しましょう。
ピッキングカート導入時のポイント
搭載機器や使用するコンテナのサイズや搭載数、カートの重量や操作性に注意しながら、適切なピッキングカートを選択しましょう。また、小型ラベルプリンタ(バッテリー付き)とハンディターミナルを組み合わせることで、低コストでピッキングカートを導入できます。ピッキングカートは、ピッキング作業だけでなく入荷検品としても使用可能です。これにより作業効率を向上させるため、ピッキングカートの導入を検討しましょう。
デジタルピッキングシステムの概要と特徴
物流センターにおけるデジタルピッキングシステムの特徴や利点、効果的な導入方法を解説します。
デジタルピッキングシステムの特徴とメリット
デジタルピッキングシステムは、商品や部品が保管されている場所にデジタル式の数量表示器を設置し、その装置からの作業指示に従って目的の商品や部品を効率的にピッキングできる作業支援システムです。
ピッカーは表示器の指示に基づいてピッキング作業を行うため、ペーパーレスのピッキングが可能です。
さらに、従来のリストピッキングと比較して、商品を見つける時間を短縮できるため、生産性が向上します。
デジタルピッキングシステム導入時のポイント
導入時のポイントとしては、アイテムによって使い分けを意識しましょう。例えば、商品アイテム数が多いAランク商品のみをデジタルピッキングシステムでピッキングして、B・Cランクの少量の商品はハンディターミナルやピッキングリストを用いピッキングする方法があります。
出荷先毎のアイテム数や物量の調査やABC分析を行い、ピッキング作業が滞留しないような、DPS設計、レイアウト設計が必要です。
デジタルピッキングシステムを導入したい方は是非、プロに一度相談することをおすすめします。
ボイスピッキングの概要と特徴
物流センターにおけるボイスピッキングの特徴や利点、効果的な導入方法を解説します。
ボイスピッキングの特徴とメリット
ボイスピッキングに関する特徴は以下の3点が挙げられます。
まず、1点目は、音声端末とヘッドセットを使用してピッカーへピッキング指示を行える点です。これにより、効率的な作業が実現できます。
2点目は、ハンズフリー、アイズフリーでの作業が可能であることです。両手を使えるため効率的なピッキングが可能であり画面等の指示を見る必要が無いため、視点をピッキング作業に集中できます。
3点目は、冷凍庫対応の音声端末が存在し、通常のハンディターミナルでは使用できない冷凍庫内でも導入が可能なことです。ハンディターミナルを使用できない場所でも効率よくピッキング作業を行えます。
ボイスピッキング導入時のポイント
ボイスピッキング導入における注意点は以下の2つです。
まず、作業者の発声をシンプルな言葉にすることが重要です。複雑な用語や長文を避け、明確な発音で適切な指示を行うことで、ピッカーの音声認識精度を向上させることができます。
また、ボイスピッキングには、特定話者方式と不特定話者方式があります。特定話者方式では、作業者ごとの音声データを学習させる方法です。手間はかかりますが、高い音声認識の精度を実現します。
一方で、不特定話者方式は個別の学習が不要ですが、作業者間の音声の違いによる認識精度の低下があるデメリットがあります。
音声認識精度と導入コストをバランスよく考慮しながら最適な方式を選択しましょう。
ボイスピッキングシステム導入に適している環境とは
ボイスピッキングは、手を自由に使いながら作業を進めることができ、ピッキングリストが不要なため、スピーディな作業が可能になります。
重量物、フォークリフト出荷などハンズフリーが有効な場所やハンディターミナルを使用できない冷凍庫でのピッキング作業に導入しましょう。
グッズ・トゥ・パーソンという考え方
近年、物流業界で注目されている手法の一つがグッズ・トゥ・パーソンです。グッズ・トゥ・パーソンとは、ロボットに商品を運ばせることで、ピッカーが商品を探すための歩行を無くし、ピッキング作業の効率を向上させる手法です。本章では、グッズ・トゥ・パーソンについて解説します。
グッズ・トゥ・パーソンの特徴
グッズ・トゥ・パーソンは、ピッカーの歩行を無くし、作業効率を向上させます。
従来のピッキング方法は、ピッカーが棚まで歩行し、商品を手作業で取り出します。この方法では、ピッカーの歩行時間が必ずあるため、ピッキングの生産性には限界がありました。
一方、グッズ・トゥ・パーソンでは、作業者が商品の置かれた場所へ移動する代わりに、商品が作業者の近くまで運ばれます。ピッカーは歩行が無くなり、ピッキング作業に専念できるため、作業効率が向上します。
グッズ・トゥ・パーソンの種類
グッズ・トゥ・パーソンには大きく分けて2つの種類があります。
1つ目は自動倉庫タイプです。搬送ロボットやクレーンが立体倉庫内を走行して、該当コンテナを取出し、ピッカーまで搬送する仕組みです。コンテナを高密度で保管できるメリットがあります。
2つ目は棚搬送タイプです。棚搬送型ロボットが、専用棚の下に潜り込み、ピッカーのもとへ棚を直接搬送します。これらの技術は、ピッキング作業における効率化に大きく貢献しています。
グッズ・トゥ・パーソンを導入し、作業効率を向上させましょう。グッズ・トゥ・パーソンは下記の記事で特集しています。是非、ご覧ください。
まとめ
ピッキングのシステム化、機械化による作業効率化は物流業界において重要な課題です。それを実現する為にはピッキングのシステム化・機械化が重要です。
ミスター物流では出荷データや入荷データを分析することから始め、データ分析を通じて自社倉庫の特徴や課題を把握し、ピッキングの機械化の支援を行っています。是非、一度ご相談ください。