この保管効率アップという課題は物流担当者であれば誰もが持つ課題だと思います。
ここでは、商品配置やレイアウトによる保管効率アップと上部空間を活用できる保管設備をご紹介します。

出荷頻度別の保管方法

保管スペースとは

一般的にラックを使う場合の保管スペースとはラックそのものの設置スペースとラック前面の通路スペースになります。

※その他作業スペースやラックを横切る通路もありますが。

保管効率を上げるということは、単純に考えるとラック内の収納効率を上げることと通路スペースを削減することになります。

ラック内の保管効率

ラックに商品は保管されているが、スカスカ状態になっていることがよくあります。これは1間口の大きさと商品の物量が合っていないからです。パレットラックで言えば全ての間口にパレット&商品が保管されているが、その上のビーム(棚板)との間がガラガラということです。

これは、常にその物量の商品を保管するのであれば、棚段数を増やすことにより解決することができます。但し、これを実際に実現させようとすると結構難しいです。それはラックレイアウト内においての商品配置は品番順であったり、商品分類毎であったり、メーカー毎であったりすることが多いからです。

商品分類毎やメーカー毎に商品配置するのは商品管理上やむを得ない点ありますが、Cランク以下の商品はひとまとめにして保管すると保管効率あがります。

品番順に商品が並べられたラック
在庫順に商品が並べられたラック

2棚で表現すると上図のようになります。逆にAランク品はラックに保管せずにカゴ車やパレットで保管した方が保管効率上がります。これを倉庫全体のラックで行うことにより保管効率を上げることができます。

※A、Cランク品…ABC分析のランク分け

※ABC分析はWikipedia等で調べてください。

通路スペース

ラック間の通路幅ですが、パレットラックの場合は使用するフォークリフトの種類に依存します。中量ラックの場合は様々です。一般的には2台の台車が楽に交差できる1,500mm前後が多いようです。保管効率上げるには、通路幅を狭くすればいいわけですが、作業をするスペースなので作業効率も優先しなければなりません。

但し、Aランク品とCランク品が同じ通路幅である必要あるでしょうか。Cランク品は2台の台車が交差することもほとんどなければ、台車1台の通路幅、あるいは人が入るだけの通路幅でもOKなはずです。
そこで、Cランク品をまとめて通路幅を抑えたレイアウトが右下図になります。

普通にラックを並べたレイアウト
スペース:226㎡
ラック台数:72台
Cランクをコンパクトにしたレイアウト
スペース:223㎡
ラック台数:84

右上図はスペースは若干スペースが狭いのにラック台数は多くなってます。これは見ての通りCランク品エリアの通路幅を800mmにしているからです。また、ピッキングの基本動線が短くなってます。
このように出荷頻度別の保管や必要な通路幅にすることにより保管効率が上がり、作業効率も上げることができます。

※作業効率が上がるかは条件次第ですのでデータ分析を行いシミュレーションが必要です。

上部空間の有効活用

積層ラック

中量ラックタイプ

パレットラック支柱タイプ

上下搬送

貫通メッシュ式フロア材(着脱式)

可動式ステップ(キャスタ-付)

各管轄消防署等との相談を行ない指導に応じて届出及び設備設置を行います。

  • ボルトアップ式の単独棚構造となっており、組立・解体移設が容易です。建築物との接続は基本行いません。
    注)当サイトでご紹介している各製品は上部空間での製品保管についての有効利用を想定しております。
    上部に事務所、間仕切等を設置する事は出来ません。
    注)実施に当たっては、各管轄省庁への相談及び確認が必要となる場合があります。

ピック・トゥー・ベルトライン積層ラック

パレットラックタイプ

パレットラックタイプ(ステージ上)

フローラックタイプ

  • 補充通路とピッキング通路を分けます。
    ※ピック部はフロー/中量/ボードラック等。
  • ピッキングした商品をコンベヤに投入します。
  • 棚への商品補充は後ろから行います。

パレットステージ

全体

ステージ上

ステージ下活用例

  • ネステナー製品にて構成されます。床固定は行いません。
  • 繁忙期等の保管用の仮設棚として有効です。
    注)実施に当たっては、各管轄省庁への相談及び確認が必要となる場合があります。

組立て方法

コンビネーションラック

パレットラック&フローラック

パレットラック&フローラック

パレットラック&フローラック

  • パレットラックの最下段部に中量ラックやフローラックを設置します。リザーブをパレットラック上段に保管します。
    ※パレットラックの最下段部に棚板やフローラック用コロコンを組み込むことができる機種もあります。
  • パレットラックの下部にパーチクルボードの段を複数段設けて小分け商品を保管する方法もあります。
    (ボードラック)

特殊ラックの活用

高層ラック

高層式中量ラック

高層式中量ラック

高層式電動移動ラック

  • Cランク商品の保管やリザーブ保管として上部棚を活用します。
  • オーダーピッカー、脚立、移動式階段等のピッカー自身が昇降できる機器を使用する必要があります。

移動ラック

電動式移動パレットラック

電動式移動中量ラック

手動式移動中量ラック

  • ラック(通常背合わせ)が移動することにより、その分の通路が削減できます。
  • パレットタイプ・中量タイプがあります。パレットタイプにはレール/レールレスタイプがあります。

自動倉庫

パレット自動倉庫

カートン(ケース)自動倉庫

縦型ロータリーラック

  • スタッカクレーンで自動格納、自動出庫する保管設備です。
  • パレットタイプ、バケット(コンテナ)タイプ、ケースタイプがあります。
  • 導入時は入出庫処理能力が実運用処理量をクリアできるかの検証が必要です。

プッシュバックラック

  • 先入れ後出しの入出庫になります。
  • 一般のパレットラックと比較するとフォークリフト通路が少なくて済みますので保管効率が上がります。

パレットフローラック

  • 先入れ先出しの入出庫になります。
  • 大量保管する商品に適してます。
  • 一般のパレットラックと比較すると、入出庫するスペースが狭くなりますので効率のいい作業ができます。