レイアウト設計は物流センター設計の要です。ミスター物流では卸様や3PL会社様からの依頼でよくレイアウト設計を行います。ラックのみを数台並べる図面から大型新センターの図面など様々です。レイアウト設計するための手順やポイントをまとめましたので何かの参考にして頂ければと思います。

ミスター物流ではお見積り依頼を頂くことを前提にCAD図面作成致します。問合わせのフォームよりご依頼ください

ラックレイアウト設計

ラックレイアウトは物流設計業務の基本中の基本です。弊社ではCADオペレーターが常にレイアウト図面作成しております。

ラックはメーカーにより微妙に寸法が違いますので、導入にあたってはCAD図面作成することをお勧めします。
以下、ラックレイアウト設計のポイントをまとめましたので参考にしてください。

ラック種類選定

保管する商品の大きさ、形状、物量、入出庫頻度により、ラック種類は決まると言えます。また曜日波動や月波動がある場合は、溢れる商品をどう保管するかを決める必要あります。

台数算出

保管する商品の在庫量とアイテム数で決めます。1棚に何アイテム保管できるか、何ケース保管できるか(但し、同種類の棚でも商品分類や出荷頻度により異なります)を決めて必要台数を算出します。またラックに商品が常に満杯になっているわけではないので余裕値を持つ必要あります。

センター移転などの場合は、当然基本となるのが現状のラック台数です。

査定

ラック台数を算出したら保管量とアイテム数を確認します。
商品割り付けを想定して、どのラックは何段何間口で何アイテム保管可能、というように設定して、保管可能アイテム数を算出します。

保管量やアイテム数を算出したら、現状の在庫量やアイテム数との比較確認、将来予想される在庫量やアイテム数との比較確認を行います。

通路幅

入庫、出庫する時の台車やカゴ車サイズが通路幅を決定する大きな要素ではありますが、作業性も重視する必要あります。作業者のみが通路に入れればいい、作業者が台車を押して通路に入る、2人の作業者が台車を押してすれ違う、などの作業条件を決めて通路幅を決定します。また、商品の大きさや出荷頻度により通路幅を変えるなどの工夫も必要です。

パレット単位で保管する場合は使用するフォークリフトの種類で決まります。

大量品

出荷頻度の高い商品はフローラックなどの1アイテム当たり大量に保管できるラックの活用も必要です。また、無理してラックに保管せずに、カゴ車やパレット置きも考えるべきです。

リザーブ

ラックに入りきれない商品をどこにどう保管するかを決める必要あります。リザーブもロケーション管理するのがベストですが、そうでない場合は補充しやすい位置に配置して、どこにあるかすぐ分かるようにすべきです。

ラックレイアウト作成で一番面倒なのが柱の存在です。柱のかわし方は様々ですが、ラック列の中にうまく入れると、保管量は落ちますが、作業性はよくなり、すっきりしたレイアウトができます。
パレットラックはこの柱スパンで保管量が大きく変わる場合がありますので、新センター設計する場合は保管効率のいい柱スパンを建築設計会社に依頼すべきです。

動線

ピッキング作業のウエイトが大きい場合は効率のいいピッキング動線を考慮すべきです。ABC分析を行い、ランク毎のレイアウトや動線も検討すべきです。

デジタルピッキングシステム(DPS)導入時のレイアウト

DPSのレイアウトは各ブロックのヒット数(表示器が光る個数)を平均化したレイアウトにする必要あります。商品の出荷頻度を考慮してのレイアウト設計が必要です。

全体レイアウト設計

こちらでは、新センター計画(新築、賃貸倉庫)、センター移転時のセンター内全体レイアウトの設計について述べさせて頂きます。センター機能や設計与件(在庫物量、アイテム数、出荷先数、その他…)と庫内運用方法、庫内スケジュールが固まったうえでのレイアウト設計になります。

必要スペース算出

まず、センター内で必要なスペースを、入荷、在庫、物流加工、仕分け、出荷待機などに大きく分類化します。そしてその分類化したスペースを算出していきます。在庫スペースは保管分類(例えば商品カテゴリー、ケースやバラ、リザーブ側とピッキング側など)毎に算出します。この時、最も参考になるのが、現状の自社センターのスペースです。

参考できるセンターが無い新規物流の場合は設計与件データに基づき算出します。この場合、この設計与件データがすべてになりますので、確実なデータであることが絶対条件です。

大型マテハン(自動倉庫やソーター)を導入する場合はこのスペースも算出する必要あります。

数年後の物量増や出荷先増を想定してセンターキャパを設定しての算出が必要です。

ブロックレイアウト図作成

算出したスペースを基にブロックレイアウト図を作成します。センター内の物流フローに従い各スペースを配置して入荷・出荷に必要なバース数を追加するとセンター像や必要坪数が見えてきます。

これが新センターの基本構想にもなり、新センターの土地探しや倉庫探しの基になります。

詳細レイアウト作成

躯体図面に物流機器(ラックやコンベヤなど)を落とし込みます。この時、入荷から出荷までの運用方法がすべて決定していることが前提です。保管量や保管アイテム数、作業スペース、通路幅など詳細確認が必要です。また、コンベヤや垂直搬送機などの物流機器の能力検証も必要です